「技術・職能」タイプの詳細解説
キャリア・アンカー 技術・職能 (TF: Technical / Functional Competence)タイプについての詳細です。
特定の仕事に対する高い才能と意欲を持ち、能力を発揮することに満足と喜びを覚える。専門家タイプ。
技術・職能 (TF: Technical / Functional Competence) タイプ
技術・職能(TF)タイプは、特定の専門分野や職能において卓越した技術や知識を持ち、それをさらに深めることに喜びを感じる人たちです。自分のスキルセットを高め、その分野での権威やエキスパートになることを目指します。TFタイプの人にとって、仕事の満足度は、自身の専門知識やスキルが高く評価されることに直結しています。そのため、管理職やゼネラリストの道にはあまり魅力を感じず、むしろ特定分野での卓越性を求めます。
技術・職能タイプの強み
【高度な専門知識】 特定の分野での深い知識と高度なスキルを持ち、その分野での課題解決に貢献できる。
【問題解決能力】 専門分野における知識を活かして、複雑な問題に対して創造的かつ効果的な解決策を提案できる。
【自己研鑽】 常に最新の技術や知識を習得し、自分のスキルを向上させるために努力を惜しまない。
技術・職能タイプの弱み
【マネジメント志向の欠如】 管理職としての役割や、広範なチームを率いることには興味が薄く、ゼネラリストとしての道には不向き。
【視野の狭さ】 専門分野に集中しすぎるあまり、ビジネス全体の視点や他の分野の動向を見落とすことがある。
【個人主義的傾向】 チームでの協働よりも、自分の専門知識に基づいた成果に焦点を当てがちであり、他者と共に働くことが難しい場合がある。
技術・職能タイプに向いている職業やポジション
【専門職】 エンジニア、研究者、会計士、医師、デザイナー、ソフトウェア開発者など、特定の職能や分野に特化した職種。
【技術リーダーやスペシャリスト】 組織内で専門知識を提供する役割や、特定領域でのプロジェクトをリードするポジション。
技術・職能タイプのキャリアにおける注意点
【市場の変化に対応する】 自分の専門分野が時代遅れにならないよう、常に市場の動向や技術の進化をチェックし、必要なスキルを学び続けることが重要。
【全体像を把握する】 自分の専門性を活かしつつも、組織全体の戦略や目標を理解し、それに自身がどう貢献できるかを考える習慣を持つことが求められる。
技術・職能タイプの強みを伸ばすためには
【継続的な学習】 自分の専門分野に関連する最新の技術や知識を常に習得し続ける。定期的にトレーニングやセミナーに参加するなどし、スキルのアップデートを続ける。
【ネットワーキング】 同じ分野の専門家とネットワークを築き、情報交換や相互支援を行うことで、より高いレベルの専門性を追求する。
技術・職能タイプの弱みを補うためには
【チームワークを強化】 他の専門分野の人々とコラボレーションする機会を増やし、異なる視点やアイデアを取り入れることで、視野を広げる。
【ビジネス全体の視点を学ぶ】 ビジネスやマネジメントに関する知識を取り入れ、専門性を超えた広範な視点を持つよう努める。
まとめ
技術・職能(TF)タイプの人は、専門性を極めることに大きな達成感を感じますが、キャリアの後半では、その専門性をどう組織全体の成功に結びつけるかが重要となります。ビジネスや組織に対する広範な視点を持ちつつ、専門知識を活かす方法を模索することが求められるでしょう。
8つのタイプ別 詳細解説
キャリア・アンカー 参考書籍
キャリア・アンカー ― 自分のほんとうの価値を発見しよう (Career Anchors and Career Survival)
エドガー・H. シャイン (著), Edgar H. Schein (原著), 金井 寿宏 (翻訳)
2003/6/1
シャイン博士が語るキャリア・カウンセリングの進め方: <キャリア・アンカー>の正しい使用法
エドガー・H. シャイン (著), 尾川 丈一 (著), 石川 大雅 (著), Edger H. Schein (原著), 松本 美央 (翻訳), 小沼 勢矢 (翻訳)
2017/1/20
キャリア・マネジメント3冊セット:変わり続ける仕事とキャリア
E.H. シャイン (著), J. ヴァン=マーネン (著), エドガー・H・シャイン (著), 木村 琢磨 (監修), 尾川 丈一 (翻訳)
2015/7/31